生活保護者の家賃滞納回収方法

生活保護者の家賃滞納回収方法

私が経験した生活保護入居者家賃回収の内容をご紹介させていただきます。

私のマンションにNさんという家賃滞納者がいらっしゃいました。

 

 

40代半ばの男性で、ガンを患っている様です。

 

病気の為、働く事ができず、やむを得ない状態で生活保護を受けていると、客付け業者から説明がありました。

 

一旦はお断りをしたのですが、私のマンションは病院にも近く、通院にも便利です。
病気も労災認定を受けているから家賃の滞納は絶対にないですからとの事でしたので、入居を認める事にしました。

 

「労災認定ですから保証会社は契約できません。」
「でも保証会社より固いですよ。労災認定を受けていますからね。」
という事を真に受けてしまったのです。

 

入居、2カ月目から滞納が始まりました。

 

私は客付け業者から言われた「でも保証会社より固いですよ。
労災認定を受けていますからね。」はいったい何だったんだろうと?思いました。

 

保証会社の家賃滞納保証はありませんから、家賃回収は、大家さんである私がしなければなりませんでした。
もう最悪です。
Nさんは、都合が悪くなると、ガンが苦しいと言い直ぐに部屋に入ってしまいまともに話もできない状況です。

 

 

@生活保護の内容を確認し細かい所をつつく

 

生活保護は経済的に苦しい方々には非常にいい制度と思いますが、細かい縛りがたくさんあります。
Nさんの様に家賃を滞納される様な方は、何かをごまかしている可能性が高いのです。

 

私は、行政に行き生活保護の内容を確認しました。
案の定、全てまったくの嘘です。
確かに生活保護は受けていましたが、労災認定はなく、普通の生活保護でした。

賃貸借契約書を改ざんし、家賃を偽り、不正受給をしていたのです!!

 

しかも客付け業者は生活保護のお金から余分に仲介手数料を請求していました。
Nさんと客付け業者はグルです。
そして、完全に詐欺です。

 

 

 

 

私は行政の担当の方にこれは「大きな問題にします。」と宣言し、その場を立ち去りました。

 

ここから形勢逆転です。
私のペースになってきました。

 

ここに至るまでに、かれこれ3カ月はかかってしまいました。

 

一時期は弁護士まで介入され、しばらく居座られる所でしたのでホッとしました。

 

正直な所、私の方にはまったく悪い所はありませんので、毅然とした態度で対応させて頂きました。

 

 

A「代理納付の依頼」手続きをとる

 

生活保護を受けてられる方で、家賃も生活保護を受けている場合が大半です。

 

上限で48,000円の家賃までは受給する事ができるのです。

 

これは家賃を払う為の生活保護の費用ですから、家賃を滞納している場合は、直接、大家さんに振り込んでもらう事ができるのです。

 

ただし、初めからは無理なのです。滞納が2カ月以上から「代理納付の依頼」の手続きができるのです。

 

この手続きが完了すれば、滞納は無くなりますよね。

すでに滞納している家賃は対象外ですので大家さんが回収しなければなりません。

 

 

B生活保護受給者は退去費用は受け取れない

 

家賃の回収をする中で退去の話は一切しなかったのです。

 

普通は家賃を滞納すれば、退去してもらう流れなのです。

 

しかし、退去をしてもらうと、退去にかかる引っ越し代や次の物件の敷金礼金等が必要な為、滞納している家賃は大家さんが泣き寝入りのパターンです。

 

そこに退去費用を請求される事もあり、踏んだり蹴ったりの状態になりがちです。

 

でも大家さんとしては家賃を払ってもらえない状態のまま、居座られてしまうと、悪循環を繰り返す事になるのです。

 

しかし、今回の場合は、退去の話になったとしても、退去費用は受け取れません。

受け取ると収入があったとみなし生活保護が無くなるのです。

 

 

C不正受給者は適正家賃の住宅に引っ越し命令が出る

 

上限で48,000円の家賃の住宅に引っ越ししなければ生活保護は廃止になります。
Nさんは不正受給が発覚したので、数十万円の返金と即引っ越しをする事になりました。

 

 

D家賃滞納分の借用書を交わす

 

私が即席に作成した借用書です。参照

 

この借用証は私とNさんと連帯保証人の方、3者で取り交わしました。

 

家賃滞納しているNさんと連帯保証人の方からは実印と印鑑証明までお預かりする事ができました。

 

家賃滞納金額と返済方法を明確にし、うまく話を勧められたと思っています。

 

予定通りに回収ができるかどうかは不明です。

 

しかし印鑑証明と実印をもらっていますのでより重たい(気持ち的に)借用書にはなったかと思います。

 

実際のところは借用書に印鑑証明と実印があっても特別有利になるような事はありません。

 

どちらにしても計画的な返済ができない状況になれば訴訟を起こすしかないのです。

 

このパターンで行けば少額なので司法書士に頼み少額訴訟なります。

 

しかし、今回のパターンは少額訴訟にならないと思っています。

 

もらえなかった場合はNさんはすでに生活保護の家賃分として受給していますから、払わなかった場合は行政に返金になるのです。

 

私に払うか、行政に返金するか、行政に返金しても、私は連帯保証人に請求します。

 

それ以来、この件の客付け業者ともお付き合いはしていません。

「宅建業法違反」契約内容の改ざんで営業停止になっているかもしれません。
悪い事をしていたらお客さんから信用を失い仕事ができなくなるのではないかと思います。

 

大家さんは様々なトラブルに対応しなければなりません。
どの様な事があっても、正しい選択をしなければならないのですね。

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